2007年4月、ERPは予定通りに全面稼働を開始した。現在、DataStageとJP1は、ERPと10以上の関連システムを連携させている。連携ジョブは複雑で、データ量はきわめて多い。
「現在、関連システムとERPの間では、約60本の連携ジョブが動いており、そのうちの20本が準リアルタイム連携です。準リアルタイム連携の中には、1度に最大数千件のデータをやりとりしているジョブもありますから、DataStageは日中合計20万件のデータ連携に対応できるよう設計しています」と石川氏は説明する。こうした連携が的確に機能することにより、たとえば自動倉庫システムを使って入庫処理をすると、即座にERPの在庫が更新されるという動きが実現できているのである。
このDataStageとJP1で構築したデータ連携基盤は、システムの運用や拡張性といった点でも評価が高い。
第1には、ERPの動きを支える正確なデータを、決められた時刻に的確に送ることができるようになったことがあげられる。
「DataStageとJP1の連携部分でエラーが発生したことは一度もありません。2つの製品は非常に親和性が高い」と池森氏は評価する。
第2は、障害対応が短時間でできるなど、システムの運用・保守が楽になったことである。
DataStageの動きは、JP1がきめ細かく管理しており、問題が発生したときには、必要な担当者へ自動的にメールが送信される。エラーの状況が正確に把握でき、最小限の操作で的確にリカバリができるのは、JP1ならではの特長だ。処理開始時間の変更もマウス操作で容易に指定でき、プログラミングは必要ない。
「監視画面もグラフィカルで見やすい。抽出・変換・書き出しの動きがアイコンのフロー図で表示されているので、処理の状況が一目瞭然です」と池森氏は語る。
そして第3には、n対nのシステム連携を実現するハブ&スポーク型の基盤を確立できたことがあげられる。連携システムの追加・変更は、DataStageの設定を修正するだけで実現でき、送り手・受け手のシステムを変更する必要がない。変化への対応が柔軟にできるのだ。
「ハブ&スポーク型のデータ連携基盤を構築することは、当初からの目標でした。現在はERP関連の連携をしていますが、これからはもっと幅広いシステムの共通基盤にしたい。DataStageは拡張性に優れており、『疎結合・準リアルタイム』で充分なものはすべて、この基盤に載せていきます」と中島氏は語る。
すでに、構築中のDWHや次期通販システムとの連携も検討中である。